Lexus GS350(S19)

 

〜 もっとも「ほほえむプレミアム」な雰囲気を纏ったレクサス 〜

GS350_2small

ほほえむプレミアム。

2005年、日本でのレクサスはGSのみのラインナップで始まりました。それ以前にもGSは日本名「トヨタ アリスト」として日本で売られていましたが、 フルモデルチェンジのタイミングでアリストは消滅して、GSが発売されました。アリストと言えば、クラウンをベースとしたハイパワー版で、内外装を専用にしたものだったので、ブランドバッジを変えただけでどうなんだ?との思いもありましたが、レクサスブランドを日本で育てていくトヨタの本気はそうとうなもので、店づくり、販売員の教育、プロモーションと、どれも気合が入ったもので、CMでも使われたプロモーションムービーは、輸入車のような印象的なものでした。もちろん、商品である車もレクサスブランド発足に伴って、モデルチェンジされて魅力的なものになりました。

当初、GSには、それまでのセルシオ(現LS)と同じ4300ccの上品で静かなV8を搭載するGS430と、新開発のハイパワーな3500cc V6を積んだGS350がラインナップされていました。このV6は、トヨタ系ではじめて280馬力を超えて315馬力を発生しながら、とても回転がスムーズで、世界最高のV6と言われていました。現行のGSにもこのエンジンが搭載されていますが、いまでも世界最高レベルのV6と言えるものだと思います。

GSはその後に発売されるフラッグシップセダンのLSとスポーティセダンのISの間に位置されるモデルで、快適性と走りの楽しさのバランスが求められるモデルで、やや走りの側に寄せた印象を出そうとしたモデルだと思います。低く流麗なクーペのような上品でスポーティな外観をもっており、このキャラクターには、伸びやかでパワフルなV6が似合います。踏み込めば1600kg少々のボディをグイグイと加速して行きます。430ほど静かさに振り切ってはいませんが、同クラスの他社製と比べたら、それでも非常に静かです。しかも、このV6は燃費がよく、高速道路で10km/lはふつうに走ります。内装は革と木目が精密に組み合わされた高級感のあるもので、抜かりはありません。走りと高級感、落ち着きといった要素がとても高い次元でバランスされています。

敢えて、難点を挙げれば、後席とトランクの狭さでしょうか。クーペのような流麗な後ろ姿と引き換えに、後席頭上スペースに余裕がなく、横幅も同クラス他車よりも余裕は少ないです。後席のまんなかは、一応は座れるのですが、緊急用と考えた方が良さそうです。とは言え、他車と比べなければ、大人4人が十分以上に快適に座れます。これで文句を言ったらぜいたくです。トランクの狭さはレクサスのセールスも認めるところだと思います。そのほか、初期モデルはFMラジオが入りにくいというトヨタらしからぬ問題があるらしいです。

その後、フルモデルチェンジまでに、GSには、超パワフルな4600ccのV8とハイブリッドのモデルが追加されましたが、350はいちばんバランスがとれて走らせてもおもしろいモデルだと思います。レクサスの日本導入にあたっての看板商品として位置づけられた車だけに、とてもよくできています。中古は100万円以下で買えるようです。現行GSやEクラスと比べても魅力ある車です。

 


 

スペック GS350(S19) 2005~2011
駆動形式 FR
全長×全幅×全高 4830×1820×1425mm
車両重量 1640kg
エンジン
  種類 V型6気筒DOHC
  形式 2GR-FSE
  過給機 自然吸気
  排気量 3456cc
  最高出力 315ps/6400rpm
  最大トルク 38.4kgm/4800rpm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です