ギリシャの自動車事情

 

 

greece2s ギリシャのユーロ脱退の可能性も冗談ではなくなってきました。国民の10%が公務員だとか、国家が債務不履行状態にありながら、緊縮財政が国民投票で否決されたりだとか、日本の一国民としては不思議なことばかりです。非常事態と言ってもいい状況のギリシャですが、この国の車事情はどうなっているのでしょうか?

 

まずは、基本情報から。

ギリシャ 日本
新車販売台数(2014年) 71,218 5,562,887 2014年
登録自動車台数(2013年) 5,300,000 60,035,297 2013年
登録自動車平均車齢(2013年) 13年以上 8.07年 日本は乗用車のみの平均

2014年のギリシャ国内での新車販売台数は71,218台で日本の1%ほど。登録自動車台数は日本の9%ほど。日本の方が人口が10倍多いですが、それを考慮しても新車販売台数の開きは大きいです。新車販売台数は、西欧の中で最も少ないルクセンブルクについで2番目に少ないです。人口はギリシャ=1100万人、ルクセンブルク=54万人ですから、人口比でとてつもなく少ないことになります。人口あたり登録自動車台数は日本と大差ないようで、国民に自動車が行き渡っているようにも見えますが、自国民よりもはるかに多い1800万人の観光客が年間に訪れる国ですから、商業利用の比率が高いであろうことは想像できます。

 新車販売台数の推移のグラフを見ると、2009年を境に急激に減少しています。2009年と言えば、ギリシャ政府による財政赤字の隠蔽が明らかになった年で、2010年以後ギリシャ国債は暴落して経済危機へ向かっていきました。自動車販売台数には1年早く大幅減少が表れて、その後の3年でピーク時の4分の1以下にまで減少しています。ものすごい減少ペースです。jetro年間自動車販売台数推移(ギリシャ)jetro自動車販売台数2014(ギリシャ)※JETRO「2013 年 主要国の自動車生産・販売動向」より引用

 

ところが直近では意外な動きも出てきているようで、高級車の販売が好調なようです。メルセデスは前年比69%増で、7割が現金一括払いで購入するそうです。ATMからの現金引き出しの課金や預金への課税に備えて、現金を非現金資産へ替える流れによるものと言われています。銀行預金も現金も信用できないのなら、車にでも変えてしまおうということでしょうか。12月に解散総選挙があった際には、ギリシャの車の登録が70%増え、預金口座が15%減少したそうです。一時的なものと思いますが、経済が危機的状況になると車の販売が伸びることもあるんですね。

ギリシャの経済危機は、まだ、現在進行形であり、これからどうなるのかわかりませんが、引き続き、見守っていこうと思います。

greece2s

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