サバンナRX-7(SA22C)

 

~匠の手によるニッポンのスポーツカー~

初代RX-7 子供のころ、親戚のおじさんが乗っていた初代RX-7は、まさにスーパーカーでした。一度、乗せてもらいましたが、なんか、すごい乗り物に乗っているという感覚が強烈だった記憶がありました。低く軽い車体とロータリーエンジン。当時、スーパーカーの象徴であったリトラクタブルヘッドライト。置いてあるだけで、スーパーな車でした。

水冷2ローターの12Aロータリーエンジンは、130PS/7000rpm,16.5kgm4000rpmで、パワーウェイトレシオは7.6kg/ps。今となってはファミリーカーの元気のいいやつくらいですが、当時はその雰囲気も相まって、そうとうなものだったようです。当事は排気ガス規制が強化されて、業界全体でエンジン性能が落ちてしまっていた時期だったようですが、RX-7は0-400mを15.8秒で走り、排気ガス規制前に国産最速だったフェアレディZと同レベルにまで戻していたようです。

この初代RX-7は、上野にある国立科学技術博物館に展示されていて、その横に設計図面も展示されています。設計当時、現在のようなCADはなく、この美しい複雑な曲面を手書きの図面でで書いていたそうです。原寸モデルから数千点の局面座標を測定し、1か月以上かけて3面図にプロットして、矛盾のない寸法図面に仕上げていくという、とてつもない仕事を人力で行っていたそうです。RX-7図面

現在はCADが発達し、容易に、早く、しかも極めて高い精度でボディ形状の測定、断面化が可能になった。しかし人の手だけで行われた「線図」には、CADでは表現できない「線のアート」とも呼べる美しさと、「匠の素晴らしさ」がある。

国立科学博物館の掲示には、そう書かれています。まさに匠の業であり、芸術だと思います。大量生産品の自動車ですが、手作りと呼んでも、なお、余りある人の手による作品だと感じられます。設計や開発に携わった人たちは、生産されたRX-7を見て、感無量だったことでしょう。いつまでも古い車の魅力が褪せないのは、こんな開発ストーリーが背後にあってのものかもしれません。

 

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